第57回 意匠学会大会・総会開催のお知らせ

第57回意匠学会大会・総会を、下記の通り開催することとなりました。
今回の大会では12本の研究発表とシンポジウム、7本のパネル発表、そして旧山邑邸(ヨドコウ迎賓館)の見学会が企画されています。
本大会が知的刺激にみちた場となることを願ってやみません。万障お繰り合わせのうえご参加くださいますよう、ご案内申し上げます。

第57回意匠学会大会実行委員会 佐藤敬二


第57回意匠学会大会

■主催 意匠学会
■後援 武庫川女子大学 生活美学研究所
■会期 2015年7月25日(土)・26日(日)
■会場 武庫川女子大学 甲子園会館
〒663-8121 兵庫県 西宮市 戸崎町1番13号(JR甲子園口より徒歩10分/駐車場がございませんので、公共の交通機関でお越しください)
http://www.mukogawa-u.ac.jp/~kkcampus/

甲子園会館(旧甲子園ホテル)は日本に残る数少ないライト式の建築であり、国の近代化産業遺産および登録有形文化財に登録されています。帝国ホテルの常務取締役でホテル界の第一人者といわれた林愛作(1873~1951)の理想にもとづき、フランク・ロイド・ライト(米・1867~1959)の愛弟子・遠藤新(1889~1951)が設計しました。 中央に玄関・フロント・メインロビーを置き、左右に大きくメインダイニングとバンケットルームを張り出し、その両翼の上階に、集約された客室群を階段状に配した構成となっています。 「打出の小槌」を主題にしたオーナメントや緑釉瓦、西ホールの天井に見られる市松格子など、 日本の伝統美が随所に取り入れられ、壮麗な洋風建築の空間と巧みに調和しています。


大会参加費 1,000円(学生 500円) ※非学会員の学生は参加費500円(資料代含む)
懇親会費 5,000円(学生4,000円)
旧山邑邸見学会 1,500円(入場料込)

■大会事務局 武庫川女子大学 生活美学研究所
〒663-8121 兵庫県 西宮市 戸崎町1番13号
TEL:0798-67-1291 FAX:0798-67-1503 E-mail:seibiken@mukogawa-u.ac.jp


プログラム (1日目)
7月25日(土)
役員会・研究発表・シンポジウム・総会・懇親会

09:00~10:00
役員会
09:30~
受付
10:15
開会挨拶 瀬口和義(武庫川女子大学 副学長・生活環境学部長)
10:30~12:00
研究発表 第1セッション 座長: 横川公子(武庫川女子大学)
10:30~11:00
研究発表01 柳橋達郎(京都工芸繊維大学大学院)
明治・大正・昭和期における日本の自治体紋章の造形性に関する考察」
11:00~11:30
研究発表02 松田真平 ((株)ICD現代デザイン研究所)
「『法隆寺金堂壁画』最近10年の研究成果の紹介」
11:30~12:00
研究発表03 和田積希(京都工芸繊維大学美術工芸資料館)\
「Dr.Franz Stoedtner 作成ガラススライドの意義について ―20世紀初頭の販売カタログから」
13:00~15:00
シンポジウム 司会 藤田治彦(大阪大学大学院)
「ライト式建築の諸相」
シンポジウムではライト式建築のコンセプトについて多面的に検討する。水上優は「偉大な建築は魂からの人間の生長と響き合いつつ、物質の本性に従って、連続性と一体性の原理によって、統合的装飾としてあらわれる。ライトにとってそのようなありかたが、建築が生長するということなのである」と分析する(2013)。またライト自身は建築に関して、「全ての壁を囲繞するスクリーンとして特徴づけることによって、箱としての部屋や箱としての住宅を排除すること。天井と床を囲繞するスクリーンは互いに流れ込んで空間の一つの大きな囲いとなり」、「内から外へ向かう有機的生長」を表すべきだと規定している。遠藤新がフランク・ロイド・ライトの円熟期の建築思想を手本として緻密に構成した旧甲子園ホテルを熟覧し、さらに旧山邑邸をつぶさに見学することにより、我々のライト式建築意匠・思念への理解を確かなものとしたい。
13:00~13:40
基調講演「フランク・ロイド・ライトの思索と制作」
講師:水上 優 (兵庫県立大学環境人間学部環境人間学科)
13:45~15:00
パネルディスカッション
パネリスト:岡崎甚幸(武庫川女子大学生活環境学部建築学科)
黒田智子 (武庫川女子大学生活美学研究所)
山形政昭 (大阪芸術大学)
15:10~16:40
研究発表 第2セッション 座長: 谷本尚子(京都市立芸術大学)
15:10~15:40
研究発表04 近藤存志 (フェリス女学院大学)
「建築家ジェームズ・アダムとデザイン理論」
15:40~16:10
研究発表05 井谷善惠 (東京藝術大学)
「ポルトガル・コインブラ大学旧図書館のジャパニングとシノワズリの意匠に関する考察」
16:10~16:40
研究発表06 佐藤紗良(大阪大学大学院)
「19-20世紀のアルハンブラ宮殿―パティオの修復とその背景―」
16:50~17:50
平成27年度総会
18:00~20:00
懇親会【甲子園会館 食堂「なんすい」】

プログラム (2日目)
7月26日(日)
研究発表・見学会・パネル発表懇談会

08:30~
受付
09:00~10:00
研究発表 第3セッション 座長: 島先 京一(成安造形大学)
09:00~09:30
研究発表07 坂田彩美(武庫川女子大学大学院)・山本 泉((武庫川女子大学)
「ロリィタファッションに関する研究の基礎的考察」
09:30~10:00
研究発表08 益岡 了 (岡山県立大学)
「レオ・フェンダーがデザインしたエレクトリック・ベースとその影響」
10:00~12:00
旧山邑邸見学会
13:00~14:00
パネル発表懇談会 司会 塚田 章(京都市立芸術大学)
・梅崎 瞳(大阪芸術大学大学院)「型染めの表現の可能性と、巨大一枚型の染色」
・大森正夫(京都嵯峨芸術大学)「月待ちに 写り移ろうかがみ池 櫻花おもほゆ 白銀の楼」
・加藤一葉(東京工科大学)『HALAL CHECK CARDS』-イスラム教徒と共につくる食のためのコミュニケーションツール
・坂田岳彦(京都嵯峨芸術大学)「香りのUDを考える」
・多田羅景太(京都工芸繊維大学)「杉の間伐材を利用したテーブルとスツールのデザインと、制作ワークショップ」
・福本繁樹(大阪芸術大学)「織物以前のこと」
・山本真紗子(日本学術振興会特別研究員)「立命館大学アート・リサーチセンター所蔵白地立命館R紋意匠伊藤若冲《雪芦鴛鴦図》模様手描友禅染訪問着、白地立命館R紋意匠伊藤若冲《葡萄図》模様型友禅染着尺」
14:10~16:10
研究発表 第4セッション 座長: 山本 泉(武庫川女子大学)
14:10~14:40
研究発表09 福本繁樹(大阪芸術大学)
「織物以前のこと」
14:40~15:10
研究発表10 山本真紗子(日本学術振興会特別研究員)
「伝統産業における分業の功罪 ―立命館大学京友禅着物プロジェクトを通して―」
15:10~15:40
研究発表11 池田仁美(武庫川女子大学大学院)
「初期のシンガーミシン裁縫女学院の型紙教育 ―明治41年の実物型紙による検討―」
15:40~16:10
研究発表12 梅崎 瞳(大阪芸術大学大学院)
「型染めの表現の可能性と、巨大一枚型の染色」
16:10
閉会挨拶 藤田治彦(意匠学会会長)
16:30
閉会