第227回 意匠学会研究例会

終了2016年9月17日(土) / 形態:対面

日時
2016年9月17日(土)
形態
対面
担当
三木順子委員 連絡先/、CC:多田羅委員/

プログラム

平成28年9月17日(土)
研究発表      14:00 〜 14:50
研究発表懇談会   15:00 〜 15:30
美術工芸資料館見学 15:45 〜 16:45


会場アクセス

京都工芸繊維大学 60周年記念館 1階記念ホール(研究発表および懇談会)
京都工芸繊維大学 美術工芸資料館(見学会)
〒606-8585 京都市左京松ヶ崎橋上町 京都工芸繊維大学 松ヶ崎キャンパス東部構内

松ヶ崎キャンパス:https://www.kit.ac.jp/uni_index/matsugasaki/
キャンパスマップ:https://www.kit.ac.jp/uni_index/campus-map/

※主要交通機関からのアクセス
1)JR「京都」駅、近鉄「京都」駅、阪急「烏丸」駅、市営地下鉄「烏丸御池」駅から 市営地下鉄烏丸線「国際会館」ゆきに乗車、「松ヶ崎」駅下車、徒歩約8分。
2)京阪「三条」駅から市営地下鉄東西線「太秦天神川」ゆきに乗車、「烏丸御池」駅で市営地下鉄烏丸線 「国際会館」ゆきに乗換え、「松ヶ崎」駅下車、徒歩約8分。
※地下鉄烏丸線「松ヶ崎」駅より徒歩8分(出口1から右(東)へ400m進み、4つ目の信号を右(南)へ180m)


役員へのお知らせ

当日12:30より「60周年記念館2階セミナー室」にて役員会を開催いたします。役員の方々はご参集下さい。
(役員会の皆さまにはご報告の準備と、審議の迅速化にご協力ください。)


研究発表要旨 第227回 意匠学会研究例会

研究発表要旨前川 志織

1930年代少女雑誌のチョコレート広告にみる「少女」の表象 ─雑誌『少女の友』における森永ミルクチョコレート広告をめぐって

洋菓子は明治維新以後ハイカラな舶来品として流入し、産業化の進展に伴い滋養によいものとして普及した。チョコレートはそのなかでも栄養価が高くカカオ豆の苦みにカフェインに似た微量の刺激を含むが、その大衆化は1918年に森永製菓株式会社(1889年創業)がカカオ豆からの一貫製造を手がけたことを契機とする。森永製菓はその市場拡大のため1920年代から30年代にかけて活発な広告活動を展開した。1934年から39年にかけて雑誌『少女の友』(1908年創刊)裏表紙に頻繁に掲載されたミルクチョコレートの広告はその一例で、そのなかには広告部デザイナー・今泉武治(1905-1995)と写真家・堀野正雄(1907-1998)が手がけたものが含まれる。
本発表の目的は、『少女の友』裏表紙における一連の森永ミルクチョコレートの広告はどのような制作者の広告戦略にもとづきどのような少女を表象したか、少女雑誌の読者はその少女表象をどのように受容したかを考察することにある。
広告における少女の表象について広告社会学やデザイン史では女性表象の研究があるが少女に限定したものはない。あるいは竹久夢二を代表とする挿絵研究および少女文化研究は少女表象を取り上げるが広告に注目するものは少ない。広告の受容のコンテクストについて広告社会学は女性の受け手をめぐる広告の受容空間を取り上げるが、少女に注目するものではない。
これらの研究をふまえたうえで、上記の目的について以下の手順で考察する。まず婦人雑誌や少年雑誌の広告頁との比較から、少女雑誌における広告空間の特徴を検討する。次にコピー文章と図像の分析や少女雑誌の記事内容との比較をてがかりに、その広告戦略はチョコレートが大人に向けて若さ・新鮮さ・モダンをもたらすというメッセージを含んだこと、一連の広告には童画・抒情画・写真を組み合わせたデザイン表現がみられること、消費文化を象徴する女性像であるモダンガールに似た明るい女性像と抒情画の挿絵や口絵に似た物憂げな少女像が併存したことを確認する。最後に少女をめぐる社会的コンテクストなどをてがかりに、少女雑誌の読者である女子はこれらの広告における二種の女性像をみることでどのような欲望が喚起されたか―「消費者としての少女」が創出された可能性―を検討する。
前川 志織(京都工芸繊維大学美術工芸資料館)


ADD: 発表要旨の追加