平成23年9月17日(土)
研究発表 14:00 〜 16:00
懇談会 16:15 〜 17:00
大阪工業大学 2号館 5階 工学部予備室
アクセスマップ http://www.oit.ac.jp/japanese/access/img/oit_access.pdf
※主要交通機関からのアクセス
1) 市バス「中宮(大阪工大前)」下車すぐ
JR大阪駅前バスターミナルから市バス34系統「守口車庫」行き
地下鉄御堂筋線「中津駅」(2号出口)から市バス34系統「守口車庫」行き
地下鉄谷町線・京阪本線「天満橋駅」から市バス110系統「守口車庫」行き
2) 地下鉄谷町線「千林大宮駅」(2号出口)から北西へ徒歩約12分
3) 地下鉄今里筋線「太子橋今市」(6号出口)から北西へ徒歩約15分
4) 京阪本線「千林駅」から北西へ徒歩約20分
大阪工業大学 2号館 5階 工学部予備室
〒535-8585 大阪市旭区大宮5丁目16-1
TEL:06-6954-4409(工学部 空間デザイン学科 事務室)
当日12:30より「1号館4階 大学院講義室2」で役員会を開催いたします。役員の方々はご参集ください。
近年インターネットや雑誌などのメディアを通して、20世紀初頭から中頃にかけて著名な建築家やデザイナーらによってデザインされた家具(以下、デザイナーズ家具と称する)の模倣品を目にする機会が増加している。先行論文『家具の模造品が日本市場に及ぼす影響―ジェネリック製品についての考察―』において、筆者はこのような模倣品が数多く生み出された背景を分析し、それが現在の日本市場に及ぼす影響について考察した。そして模倣品が国内市場に氾濫する要因として「20世紀初頭から中頃にかけてデザインされた家具に対する人気の高まり」を挙げ、これが模倣品業者にとって大きなビジネスチャンスとなっていることを明らかにした。
一般的に工業製品は新製品への人気が高く、発売から数年後にはその製品に対する需要は著しく低下する傾向にある。最長保護期間が20年の意匠法はこのような工業製品のデザインを保護するためには有効であるといえよう。しかしながらデザイナーズ家具のようなロングライフデザインにとってその効力は限定的であるといわざるを得ない。本発表ではこのような意匠法の限定的効力を補完する新たな手法として、商標法(立体商標)と不正競争防止法に着目し、今後デザイナーズ家具のデザインをいかにして保護するか展望を示したい。
手順として、まず近年の判例を取り上げ、日本において家具のデザインが立体商標として認められた例、それから不正競争防止法によって模倣品業者が訴えられた例を紹介する。次にそれぞれの法律と照らし合わせ、家具のデザインが立体商標として認められるための要件と、模倣品業者の行為が不正競争として認められるための要件を分析する。その上で、現在模倣されているデザイナーズ家具において、商標法または不正競争防止法を活用することで、模倣規制につながる可能性が高いモデルを示す。以上を踏まえて、今後デザイナーズ家具をはじめとするロングライフデザイン保護の在り方を考察したい。多田羅 景太(京都工芸繊維大学)
中世建築の修復と『フランス建築百科事典』『フランス家具百科事典』等の大著の著者として知られる建築家、ウジェーヌ・エマニュエル・ヴィオレ=ル=デュック(Eug_ne Emmanuel Viollet-le-Duc, 1814-1879)は、パリのエコール・デ・ボザール(国立美術学校)用に準備しながら、抵抗勢力の妨害により中断を余儀なくされた講義のノートをもとに『建築講話』を刊行後、『住宅の物語』『居住地の物語』など、建築や住まいに関する一般向けの啓蒙書の執筆に力を注ぎ、その最後の著書は『デザイナーの物語』(1879)であった。同書は、以下の二点で注目される。
第一に、建築家、建築修復の専門家、そして合理主義的建築思想によって知られるヴィオレ=ル=デュックは、若い世代にとってのデザインおよびフランスにおけるデザイン振興の重要性を認識し、唱導する、同国にとってはまれなデザインとデザイン教育の先駆者であったことが、最後の著書『デザイナーの物語』に確信される。このことは、ヴィオレ=ル=デュックがフランスの美術アカデミーとエコール・デ・ボザールにおけるクラシックな建築教育の最大の批判者であったことと考え合わせると、デザイン史研究上重要である。
第二に、ヴィオレ=ル=デュック最後の著書『デザイナーの物語』は、北斎および『北斎漫画』に触発されて上梓された側面が大きいことが、同書と『北斎漫画』全15編を比較すると、かなり明らかになる。『デザイナーの物語』のなかでは、レオナルド・ダ・ヴィンチと北斎(あるいは北斎に代表される日本の絵師)が対等に比較されており、ヴィオレ=ル=デュックの「デザイン観」「デザイナー観」を知る上で興味深く、私たちに、「デザインとは何か」「デザイナーとは何者か」を再考する機会を与えるという意味でも、同書は重要である。
藤田 治彦(大阪大学)